道具の特性を知る(プロダクション)「ステージマジックの手順構築その4」

手品論

はじめに

ステージマジックの手品論を連載してから4日目です。

ここで紹介する理論は私の手品に対する考え方を大きく変えた「児嶋達」の理論を私なりに噛み砕いて文章化したものです。

この理論は個人的な考えであり、みなさんにはこれを元に、時には批判的に構築して頂きたいと思います。

プロダクション

前回は、「アニメーション」種目のそれぞれの特徴を紹介しました。

今回は「プロダクション」について紹介します。

プロダクションは出てきたときのインパクトは絶大ですが、道具を出すための準備動作が長くなりがちです。

面白いプロダクションの三要素は、はやい、でかい、たくさんです。

基本的にプロダクションマジックはスライハンドマジックと違ってモノがパッと見で何かがわかるものばかりです。

これは強みですが、多くの演者はそれを理解していないために、手品に最適化された持ち方をしてしまう傾向にあります。

傘なら一度さしてみる、扇なら仰ぐ、お花の持ち方は?
等一度考え直してみてください。

手品に最適化された動きのみをしたい場合はスライハンドマジックをするのが良いでしょう。

また、プロダクションにはパワープロダクションとディスプレイプロダクションがあります。

パワープロダクションはいかに出すか、ディスプレイプロダクションはいかに飾るかが問題となるでしょう。

鳩は手品の王道であり、プロダクションの王道でもあります。

すべてのプロダクションマジックはここから始まったといっても過言ではないでしょう。

生き物と水物は不可能性が高い為一般受けがいい。

鳩を投げて戻ってこないのはナンセンスです。
戻ってこないのであれば投げないようにしましょう。

鳩の基本的な考え方は何か一連の手品をしたオチとして鳩を出す、というもので、他のプロダクションマジックにも通用します。

メリケンハット(バネ花)

メリケンハットはTHEパワープロダクションです。

プロダクションマジック唯一、何を出しているのかがわからない種目です。

そこがもやもやしたまま進行するのはよくない。

メリケンハットにはメタリックと原色系の二つの方向性がありますが、どちらでもでもいいと思います。

ミリフラはもしかしたら原色系の方が見やすいかもしれません。
メタリックは乱反射するので量が多く見えます。

一般的にメタリックの方が耐久性に優れます。
結局どちらも消耗品なので、古くなったら買い替えましょう。

フラワー(毛花)

フラワーは変化現象、カラチェンがしづらく出現現象に頼りがちになります。

他のアイテムと組み合わせて緩急をつけるのが良いでしょう。

フラワーはパワープロダクションですが、お花に見せるためにディスプレイ方法や持ち方等の扱い方法にも注意が要ります。

パラソル

パラソルもTHEパワープロダクションです。

しかしテンポが悪くなりがちなのは注意しましょう。
解決策としてはダブル演者などがあげられます。

全く傘をささない人も見受けられますがよろしくないです。
和妻などを参考にしても面白いかもしれませんね。

シルク

シルクは何かを出す方法として用いられることも多いですが、シルク自体でも様々な現象が起こせます。

出現以外の方法も考えてみてください。

シルクは丸めて固めるとしわが寄って汚いので、なるべくしわの寄らない手順を組んでみてください。

和妻

和妻はパワープロダクションでありプロダクションの鏡です。

デカい、たくさんに加えて、二人以上でやる際には演じる側とディスプレイする側に分かれることでテンポが良くなります。

現在学生マジックで行われている和妻は鳩の考え方を応用した島田晴夫師の考えに基づくものです。

ワイン

ワインはディスプレイプロダクションです。

蓋グラスは不可能性が高いので一般受けはしますが、ゾンビの棒と同じでマジシャン受けはその程度のものでしょう。

液体が透明な分、シンブルよりもネタはみづらい。

おしゃれな雰囲気でやる演者が多いが、グラスの構造上衣装がダボっとなりがちで雰囲気がぶち壊されます。

ローズ(造花)

ローズもディスプレイプロダクションです。

マニピュレーションフラワーとも呼ばれます。

ウォンドに技術は近いですが、ウォンドじゃなくお花である意味を考えた方が良いでしょう。

ネックレス

ネックレスもディスプレイプロダクションです。

もともとは生きもの禁止の場所においてとの代替物として開発された道具です。
鳩の考え方と同じです。

フェザー

フェザーもディスプレイプロダクションです。

出現以外の現象がほとんど開発されていないのでこれからが楽しみですね。

シルク同様、透けているので不思議さは高いはずです。

マスク

マスクもディスプレイプロダクションです。

マスクの醍醐味はなんといっても変面です。
出現現象よりも変化現象が強いです。

ジェフマクブライドが始めたマスクに対し、大佐氏(法政OB)をはじめとする学生マジシャンが異を唱え、手品の域にまで作り上げました。

しかし、隠す布が多く不思議さが低くなってしまうという課題がありました。

それを解決し、ハーフマスクという考え方を取り入れたのが大江毅氏です。

また、藤山大樹氏はより中国の伝統芸能である『変面』に近づけることによりその芸を昇華させています。

扇子

パワプロとディスプロの中間くらいの位置づけ。

というのも和妻の劣化版にならないためには扇子をしっかり「魅せる」ことが必要になるでしょう。

ポーチェンがかなり面白い手順を作ってしまったので、いかに、その影響から脱するかが課題です。

続く…

コメント

タイトルとURLをコピーしました