マジックをする上でものすごく損をしている人がいるって知ってましたか?
マジックの見やすさの違いで演技全体のクオリティに大きな差が生まれるのです。
実は、観客はあなたの演技を見づらいと思っているかもしれません。
そこで今回は見やすい演技と見にくい演技の違いについて紹介したいと思います。
見やすい演技と見にくい演技の違いとは?
見やすい演技をするには、ルーティンを組む際に意識をすべきことがあります。
それは演技や現象を起こす際に、
「点で見せるものなのか、画で見せるべきものなのか」
これをしっかりと決めることが重要となります。
「点で見せる」「画で見せる」とは?
観客を意識をする時に重要なのが、観客の見える範囲です。
人の眼はそんなに優秀なものではありません。
性能があまり良くないカメラの様だと思ってください。
早い動きはついていけませんし、複雑な変化にはついていけません。
カメラも風景画のように全体を撮る写真と、人物や物など被写体を撮る時とでは見え方も撮り方も違いますよね?
静物画を撮るモードでスポーツの写真を撮ろうとしてもブレブレで、うまく写すことが出来ません。
点で見せるとは写真で言うところの静物画。
四つ玉やシンブルなどスライハンドの種目のように、見せたいものをしっかりと示し、現象が起こる瞬間をぶらさない。
そうすると、非常に見やすく、より不思議さが伝わるようになります。
画で見せるとは、風景画やスポーツ写真のような躍動感のある写真。
マジックで言えば和妻やシルクのフラッグ出現などが挙げられます。
その他はジャグリングなど、扱うものが大きく、全体で見ると綺麗に見えたり迫力が伝わるものになります。
まとめ
「点で見せるものなのか、画で見せるべきものなのか」
これを演者が意識しないとどうなるか。
演者は指先を見せたいと思っているが、カッコ良く見せようと早く動きすぎて目で追えず、観客は結局全体を捉える(画で見る)ようになり、良さが伝わりません。
この時の観客の感想は、「なんかよくわからなかったけど凄かった」のような、何が凄いのかがしっかり伝わっていません。
逆に和妻の野点や大扇子のように画で見せるべきなのに、点で見せるような演技にしてしまうと迫力が半減してしまいます。
このようにルーティンを作る際に、それぞれの演技が点で見せるのか・画で見せるのかの意識の差で、
見やすく良い演技になるのか、見にくく印象に残りにくくなるのかを決めることになるのです。
コメント
ブログほとんど読ませて頂きましたが、書籍にして欲しいほど素晴らしいです。アスカニオのマジックというマジック理論書を読んだ事がありましたが、理論的にマジックを分析されている読物が他にあるとは思いませんでした。また、こちらのブログでは文化的な背景の観点からも分析を加えておりとても読んでいて楽しいです。
坂上さん
コメントありがとうございます。
お役に立てれば幸いです。